見沼たんぼへの提言

環境保全型農業の集積地へ

首都圏に残された稀有な存在である見沼たんぼを、知名度を高め活性化させるため、見沼たんぼの自然を守り農地としての環境を整備することを提言したい。

見沼たんぼの3つの課題である、①環境保全、②農業の活性化、③観光の推進、は見沼たんぼの農業を環境保全型化し、世界的にも有数の集積されたオーガニックエリアとなることで、解決することができるのではないか。

そのための具体策は、見沼たんぼ全域の特区化(指定公園化など)である。そうすることで、例えば下記のような環境の整備がしやすくなるだろう。

①農薬・肥料の使用制限(環境への影響を検証しながら段階的に制限。また削減への経済的インセンティブの設置など)

②道路・水路・河川の整備(軟弱地盤のため大型車の乗り入れ規制や、大雨による灌水対策として排水路の整備、河川のなど)

③不法投棄の禁止(不法投棄のパトロール体制や罰則の強化など)

④農地の管理・集約の強化(行政による権限を強化し、放棄地や遊休地の管理や農地の集積をおこなう。1筆の面積が1~2反と小さく、地権者もバラバラな見沼田圃で圃場の集約化をおこないやすくする)

もともとはあった見沼三原則など(1965年制定、95年には「見沼田圃の保全・創造・活用の基本方針」に変更)の規制を積極的に強化することになる。

<参考①>有機農業先進国の状況

日本の有機農業取り組み面積の割合0.2%に対し、イタリア15.4%、スペイン8.9%と桁違いにシェアが高い。(さらにEU全体で2030年までに25%とという目標をたてている)

日本の農業全体が有機農業への取り組み